2017/06/28

怖がらずに勇気を持って生きよう!



今の社会を「安心社会」、「信頼社会」、「ブランド」という切り口で考えた。そこから個人として如何に生きて行くかを書いた。特に個人事業主の方はご一読を。


安心社会
日本社会は、長い時間をかけて人々を共同体に縛りつけておきながら相互規制を生み出すやり方を洗練させてきた。特に重要なのは、相互監視によって外部からの強制ではなく「和の心」「思いやりの心」で行動するのだと人々が考えるようになったことだ。その結果、人様にとやかく言われないように身を慎むことが至上の美徳となり、それを身につけた人々が暮らす社会こそが日本人が理想としてきた安心社会だった。その中にいる限り信頼出来る人たちかどうかを考える必要のない社会ではあった。しかし、そのなかでは互いに助け合うが、それ以外の人たちは信頼できない社会である。そこにとどまっている限りは安心できるが、そこから外れた時には大きなリスクを生む社会である。そのリスクを避けるために周りの人から嫌われないように、周りの人たちからどう思われるかを気にして生きていくことが必要になる。こうした社会での暮らしは、同じ仲間であることに懸念をもたれるような行動や態度は慎まなければならない。


高度成長期以降は、人々を土地ではなく企業という新たな共同体に縛りつけることで、日本式の安心社会を作ってきた。その社会にいるうちは人々は積極的にチャンスを活かした生き方をするよりは、波風を立てないリスクを避ける生き方を好ましいと思うようになる。格差が激しくなりつつある今の日本ではより以上にそこに留まろうとするメンタリティーが強くなっている。昨今の大企業の倒産や経営不振はその現れでは無いだろうか。実際、世界価値観調査の結果によると、日本人のリスク回避傾向は世界で一番強いようだ。しかし、グローバル化が進む中では、自らの意思や主張を明確にしながら知らない人たちとの間にも積極的な協調関係を築いて、お互いリスクをとりながらチャンスを活かせる社会を作らなければ、日本の将来は明るくないだろう。



信頼社会

日本人が築いてきた安心社会は理想的な面もあるが、内向きで夢や希望が持ちにくい社会でもある。一方、人類は法律という約束を作り、知らない人とも積極的に関係を持つことで社会を作り変えてきた。法律で秩序を守りながら様々な垣根を越えて行くことができる社会が信頼社会だ。どこにいても法律が個人をも守ってくれることで、他者一般に対する信頼が育っていく。その中で個人がリスクを取りながら自分の目的を自由に追求する生き方ができるようになる。


ブランド
しかし、法制度だけで社会の秩序を良好に維持するのは難しい。その時に一番有効なのが、人々が自発的に評価しあうことで得られる評判だ。これまでの安心社会では仲間うちでの悪い評判を避けることが重要であったが、これからの信頼社会では、仲間うちを超えてどこでも通用する良い評判を確立することが重要だ。もちろん良い仕事をするのが当然ではあるが、それだけでは社会に参加していることにはなりにくいのが信頼社会の現実だ。そのために自分の評判を広めることに投資をする必要がある。そして、良い仕事であれば、その評判はどこにいっても通用する形で社会に浸透していく。今それは一般にブランドと言われている。それがこれからの時代に利他的に人々を行動させる信頼社会の作り方だ。しかし、そのブランドもお金で買えるという資本主義の弊害もあるが、一人一人は確かなリテラシーを持って、どこでも通用するブランドを広くシェアできるようにするというのが、これから信頼社会を生きていくためには大切なことになる。











2017/06/26

新しい現場が始まりました。


明大寺の家の現場が始まりました。

建築は・・・






建築は素材で作られた詩である。
Architecture is poetry made with material.



                   宇野友明
                            T・Uno

2017/06/13

ホスピタリティーとヒーリング



建築の本来の目的はこのふたつ。



「ホスピタリティー」とは、「もてなし」のこと。

「お」がないのは、あるとうさん臭いから。


それは、ヒエラルキーのない人と人、人ともの、人と社会、人と自然との関わりの中で生かし合うこと。



「ヒーリング」とは「癒し」のこと。

肉体と精神の回復を意味する。



建築は、関わる全ての人にそれらが実現することで完成する。



The original purpose of architecture is these two.The original meaning is no hierarchies ”Mutually resuscitating" in  those relations a person and a person, a person and a thing, a person and society, a person and nature ."Healing" is the recovery of the body and spirit.Architecture is completed by coming true to all people involved in it.


家具難民 Furniture Refugees



ボクのクライアントは最近皆さん家具難民になってしまうようだ。

もう何年も前から「クライアントに似合う」、「この家だけのために」

という思いからほとんどすべてのものを職人による一品もので作ってきた。

そのせいで住み始めるといつもクライアント困ってしまうようだ。

すべてが手作りで素材をそのまま生かしたシンプルなものなので、

無難な素材感の既製品は高価なものでも安っぽく見えてしまう。

結局、家に似合う家具や照明が市販されているものの中に見つけられなくなってしまう。

それでも以前は、アドバイスをするだけでクライアントが選んだものを楽しんでいた。

というよりも実力不足で提案出来なかった。

しかし、ここ数年少しずつ建築のことが分かりかけてきたと同時に

家具やプロダクトも自然と提案出来るようになってきた。

また、それを再現してくれる職人がいることも大きい。





My clients recently seems to become a furniture refugees. Since many years ago "Also look good on a client", " For this house only".I have made everything with one time piece. That's why most of them are own original. It seems the client always  has trouble starting living. Everything is handmade, it is a simple thing that made use of the material as it is, so ready-made articles with a safely texture will look cheap even if they are expensive.Eventually they will not find any furniture or lighting that goes home with what is on the market. Everything is handmade and simple using the raw material, so it will look like cheap even if expensive ready-made items. Still I was just advising before and was enjoying the one a client chose. Rather than, I could not propose it because I was lacking ability. However, at the same time as I understood little about architecture in recent years. Furniture and products have become able to be designed naturally. Moreover, I think that there are also craftsmen who reproduce it.









































このスケッチはあるクライアントから

「宇野さんのスパニッシュダイニングチェアー(モーエンセン)作って」という依頼で考えたもの。

依然だったら「無理!無理!」と断ってしまうところだが、

最近は自分のものになるような気がするから二つ返事で「ハイ、分かりました。」って答えた。

が、しかし、Makino wood works お牧野さんに相談したところ

思った以上の金額になり、クライアントに見せるまでもなく頓挫中。


This sketch is what I designed at the request of a client "Mr. Uno's Spanish dining chair (Børge Mogensen)". If it is still, I am refusing "It is impossible! I can not do it" Recently, as I feel like becoming my own design, I immediately replied "Hi, OK." However, I consulted with Makino wood works Mr. Makino. It'll be the price more than I thought, and a client doesn't have that until it's shown and I'm suffering a setback.



もうひとつは同じクライアントから依頼されたスタンド照明。 

たぶん銅で作ることになると思う。

家具もプロダクトも小さな建築。

予算の中で求められる機能とデザインと耐久性、メンテナンスのことなどを考えて

ディティールを決めていく。

何が出来て何が出来ないかを知らないとデザインに強さが生まれてこない。

これが出来るまでに30数年かかった。



The other is a stand lighting requested from the same client. I think that it will probably be made of copper. Furniture and product are small architecture. I will decide the detail, considering functions, design, durability, maintenance etc in the budget. If it does not know what can do and what can not do it will not give strength in the design. It took 30 several years for me to be able to do these.



2017/06/10

最近は・・・



































この数日、今月末から始まる住宅の見積りと新しい住宅の案を考えるのでいっぱいいっぱい。

インスタやFacebook、ブログの更新など全く余裕がない。

いつまでたっても営業力は上がりません。残念!

2017/06/04

メンテナンス




昨日は久しぶりに幡豆の家のメンテナンスに行った。梅雨を前に雨漏りの補修。
こんな感じでほとんどのメンテナンスはボクとスタッフでする。費用がかから
ないしすぐに対応出来る。実は僕らにとってはそれ以上の大きなメリットがあ
る。それはこの目で、原因を確認出来るから。そして、その対応を自らの経験
と知識を総動員し、対処していくことで次の設計に生かしていくことが出来る。
何をして何をしてはいけないかを知ることで、設計の巾が格段に広がる。メン
テナンスはスキルアップと設計を楽しくさせる貴重な仕事だ。これはスタッフ
に取っても同じ。事務所の中にいては絶対に得られない経験だ。多くの設計者
は、工務店に任せ大切なチャンスを逃している。







メンテナンスのもうひとつのメリットは、施主とのコミュニケーション。
我が子(建築)の成長と老化をこの目で確認し、養父母(施主)に暮らしぶりを聞く。
ボクにとってかけがえのない人たちだ。

2017/06/02

建築の豊かさ




建築の豊かさは、体験できる自然の質と量で決まる。


*質とは安全性と快適性である。





The richness of architecture depends on the quality and quantity of nature that can be experienced.


* Quality is safety and comfort..


設計事務所は平成のオワコン



昭和のオワコンが棟梁だとしたら、平成のオワコンは、個人住宅を設計している小さな設計事務所だ。

最近、オープンハウスの参加者の中に地域の小規模なハウスメーカーに所属していたり、外部スタッフとして参加している設計士が多くなった。それらのホームページを見るとハウスメーカーと言うよりまるで設計事務所だ。デザイン性を重視して施工も行い、保証や保険(これらは独自なものはほとんど無く、我々と同じ住宅保証責任保険の範囲のものがほとんど)も充実しているようにしっかりとアピールし、オールインワンで家作りが出来てしまう安心感を売りにしている。それにも増して人気が出ている理由は、そのデザイン力だ。最近急速に受注を増やしているneieなどのデザイン力を見ると、多くの個人事務所は、最後の砦のデザイン力でさえも既に太刀打ち出来ていない。実際、neieの設計士に聞くとオープンハウスには毎回数十組の参加者があり、そのうちの数組は仕事につながると言う。残念だけれどもう既に決着はついているようだ。いつの時代も時勢に合ったブランド作りと広告に弱い業種は消えてなくなるようだ。

しかし、今ボクが思う個人事務所が生き残る手段は二つ。ひとつは、ターゲットを限界まで絞り、そこに向けて毎日安定して情報を流し続けること。実際それで成功している同業者もいる。もうひとつは、出過ぎた杭になること。キーワードはどちらも「絞る」こと。今更だけど、ボクは後者を目指すしか無い。笑 

家具職人  竹村さんのこと


彼は、「職人の鏡」と言える人だ。

ボクの建築人生にもとって大きな財産と言える人だ。

その仕事ぶりは、無駄が無く流麗で品がある。

道具も美しく、電動工具に至るまで20年以上のベテラン揃いだ。

それがすべて出来映えとして家具に現れている。

彼の家具が収まると、建築が一気にグレードアップする。

でもこれは、どんな建築にも通用する話ではない。

彼の家具は、ある意味リトマス試験紙だ。

収まった瞬間に造作の良し悪しが分かってしまう。

だから大工はいつも緊張する。
































彼と仕事をするようになって、多くの家具職人が彼の仕事を見学に来るようになった。





彼に初めて図面を渡したとき、彼が済まなそうにこうこ言った。

竹村さん「私は今までスライドレールとスライド蝶番を使ったことが無いんですよ。」

ボクは初め意味が分からなかった。

僕らの設計では、扉の調整がしやすくキャッチのいらないスライド蝶番が常識だし、

引き出しが軽く、箱の精度もそれほど必要のないスライドレールが当たり前だった。


竹村さん「扉も引き出しも全てインセットでお願いできないでしょうか。」

私 「???」「なぜスライド蝶番などを使わないのですか?」

竹村さん「壊れるから」

答えは簡単だった。

彼が考えている家具の寿命は、ボクが思っているよりもずっと永かった。

私「扉や引出しの面材と枠の目地は2mmほどで良いですか?」

竹村さん「単線で寸法を描かないでください。」

私 「????」

それが下の出来映え。





























でもこれでも、相当腕のいい職人なら出来なくはないかもしれない。

彼がすごいのは、上のキッチンの写真でも分かるように

自前の材料ではなく、ボクが支給した節だらけの材料。

去年竣工した桑名の家は栗材だった。

栗は最も狂いやすい材のひとつ。

それについて何か言うでも無く、何事も無く黙々と納めてしまう。

さぞかし梅雨時などは材が膨らんで

不具合が生じるだろうと思いきや

今まで納めた数軒に限っては、まだ一度もメンテナンスが必要になったことが無い。驚





螺旋階段の手摺も彼にお願いした。

薄い檜を何枚も重ね合わせ、それを現場で1本の手摺に仕上げてくれた。

多くの職人に彼の仕事と仕事ぶりを見てほしい。








































初めて彼が作ったキッチンの引出しを引いた時の感動は今でも忘れない。

木と木が優しく擦れる感触が手にまで伝わってくる。

その優しい感触は、そのままこれを作った人の優しさだと思った。

僕らの仕事の真価は、まさしくこれだと思った。

決してネットや写真では伝わらないリアルな体験だ。

ボクはその時、彼から建築家として大切なものを教わった。









受皿を作ってみた。


先日竣工した竹ノ山の家の歯ブラシホルダーに合わせて銅で受皿を作ってみた。
毎回希望があれば、僕自身が真鍮を削りだして作っているが、特に施主からの要望はなかったが、少し気になっていたことなので今回初めて受皿を作ってみた。


杉さんの工場に出来上がった金物を取りにいったついでに、銅板の小片を少しいただいて杉さんの指導を仰ぎながら、角を削り鉛板の上に銅板を置いて鎚で叩いてみた。打ち方はプロから見ればかなり雑さが目立つけど、それはそれで味が出たんじゃないかと思う。自画自賛。その後、薬でエイジングさせた。杉さんのおかげもあったけど、ただにしては上出来。自画自賛。