2017/03/30

僕の営業トーク




初めから作りたいものがあるわけではない。

どんなクライアントでも対応できるように既成概念を追い払うのに必死だ。

僕のなかに具体的にクライアントのイメージがある訳ではない。

商売でいえば、全くマーケティングが出来ていない。

というより、出来ない。



特定のクライアントだけに受け入れられるメッセージは、

仕事の幅を小さくしてしまう。

いろいろな価値観、ライフスタイルのクライアントと出会いたい。

過去の仕事を見れば、実際それが実現しているのが分かる。

だから、過去のクライアント同士が、飲み会をすることも考えられない。



それぞれの住宅は、そのクライアントだけのために作ったものだから

他のクライアントが良いとは限らない。

営業さながら、個々の住宅を自画自賛することもはばかられる。

だから、僕の営業トークは、

もっぱら建築への思いや哲学を語ることになってしまう。

それが、抽象的であったり、難しかったりして分かりにくいらしい。

出来る限り分かりやすくしようとしているが、

結局、写真を見ていもらったり、

実物を体験してもらったりする他には、

言葉を汲み取っていただく以外にない。



未来のクライアントの皆さん。告

皆さんが思っている以上に僕は怖い人でも難しい人でもありませんよ。優

問い合わせにお金は一切かかりません。安

一度勇気を持ってお問い合わせください。願

これが僕の営業トークでした。終





しかし、残念なことに僕のブログを読んでいる人のほとんどが同業者。

だから、この営業トークも全く営業になっていない。笑&哀













続・発想の種



今回は少し具体的な内容にしようと思うが、

結局レシピはないので、抽象的になってしまうだろう。

僕の作る建築が毎回違うのは、

敷地が違い、クライアントが違うからだ。

当たり前といえば当たり前のこと。

だから、未来のクライアント候補は、

僕が何を作るか不安で尻込みしてしまう人も多いと聞く。



僕は普段、自分自身を出来る限り白いキャンバスにすることに努めている。

つまり何も描いていないと言うこと。

新しい出会いによってどんな絵を描けるかが、

楽しみのひとつになっているからだ。


発想の種はまさしく、「敷地」、「クライアント」、「自分」。

僕は与えられた敷地で、

クライアントに最も似合う建築は何なのかを考える。

オーダーメイドの洋服のように。



しかし、洋服と違うのは時間の長さ。

その時だけに似合うものを作るわけにはいかない。

その洞察力が建築家には必要だ。


クライアントは目の前の要望に固執しがちだ。


そこに如何に専門家としての知恵と経験を盛り込めるか。

例えば、クライアントにとって最も重要な広さが

優先順位の後方になることもよくあることだ。

そこに切り込む勇気を持たなければならない。



僕が多くの建築家と決定的に違うのは、

具体的なデザインを考えると同時に

何をして何をしないかを徹底的に整理することだ。

これを納得してもらうまでは、具体的な提案はしない。

この整理の仕方が、かなり強引で僕の独断のように見えてしまうようだ。

ただ、これも飽きずに永く豊かに過ごせる本物の建築を作るために

やらなくてはならない重要な通過点。



僕は予算の有る無しで、仕事を区別することは決してない。

この要望の整理が出来るかどうか。

何れにしても成功するかどうかは、

クライアントの僕の建築に対する熱意次第。


クライアントのためだけの世界にひとつしかない

見たことのない普通の建築を作りたい。



あ〜 ますますクライアントが減りそう。哀






追伸
これ以降は若手同業者に対するアドバイス。
建築家はクライアントに選択されることで、当然クライアントの期待に応えなければならない。依頼がきた段階で作る選択肢は、既にかなり狭まっている。僕の歳になると同じようなものを作り続けることがかなりつらくなる。若き日の情熱を無くしてしまうのは、ほとんどこれが原因だ。結局、多くが設計をスタッフに任せ、本人は経営者となる。常に自らの建築を近視眼的に見るのではなく、遠く理想を求めてほしい。
売れない僕がいうのも全く説得力はないが。笑
















発想の種



どうにか次の仕事につなげようと、

クライアントのお願いし、

毎回オープンハウスを行っているが、

一般の参加者はほぼ過去のクライアントで

残念ながら新しいクライアントに出会うチャンスはあまりない。

ということはほぼ同業者や学生で埋まるオープンハウスで

いつも問われる質問が、「発想の種」についてだ。


そういえば僕も事務所を始めた30代の頃、

好きな建築家の建築を見るたびに

それを心の底から知りたいと思い、

いつも胸苦しい思いを抱えていたことを思い出す。


ただそれを聞いたところでそれをそのまま流用できる訳もなく、

結局は孤独の中で七転八倒しながら見つけるしかなかった。

結局、それは自分の外には無く、内から見つけ出すしかなかった。



具体的にいうとそれは、


「自分の心に素直になること」


今、何がしたくて何がしたくないか。

何が好きで何が嫌いか。

他人の評価などは全く気にせず、いつもそのことばかり考えていた。



好きな建築家の仕事をリメイクするような仕事も

実はその検証をしていたのだと思う。



リメイクしようとするとそれに抵抗しようとする自分を発見する。

その自分をすかさず捕まえて放さない。

それがまさしく僕のオリジナリティーだから。

そんな自分をたくさん捕まえて隙間だらけのパズルを埋めてきた。


50歳前後になって、そのパズルに一定のカラーがあることに気づいた。

その時、なんだか少し建築が分かってきたような気がした。

建築家としてやっていく自信が芽生えた。



おそらくこのパズルは完成することはないと思う。

でも、このパズルをいつか完成させるために

ボクは今日も自分の内を見つめている。


















2017/03/28

僕が完璧な機能を求める理由



家作りを始めていつもクライアントが以外に思うのは、

僕がクライアントの要望の多くを聞き入れて

その機能について何度となく確認することのようだ。

世間は僕の想像以上に僕がかなりワンマンで、

要望を聞き入れず勝手に設計してしまうように思っているようだ。



実は建物の規模と構造さえ納得していただければ、

それ以外の要望は、コスト的には十分調整可能なことだから

それほど大きな問題にはならない。



それよりも僕がしつこく機能について確認する理由がもうひとつある。

それは現場で生まれる偶然性を大切にするからだ。

この偶然は予定調和と真逆で機能を約束できない。

だから、実現可能な機能は完璧に作ることが、僕がやらなければならない最低限の仕事。



追伸
例えば栄生の家の施主とは、500通を超えるメールの交換をした。現場で生まれるものが多ければ多いほど確認作業は多くなる。

建築とは自然との関わりをデザインすること



心を癒し、豊かな日常を送るために唯一万能なものは自然である。

建築は、人と自然との接点をデザインすることである。


1、素材としての自然。

2、環境としての自然。

3、現場で生まれる自然。


今、「3」が全く顧みられていない。

コンクリート打放しは、まさしくこの「3」なのだけれど、簡単に補修をしてしまう。

他にも目に見えないけれど、職人のやる気、意欲など。

リスクを考えたとき、予定調和の無難な方向に行く。

信頼関係の欠如が、建築に豊かさを無くし、

結果的に最も不利益を被るのはクライアントになってしまう。








光熱費は終わらないローン




「光熱費は終わらないローン」

終わらないだけならまだしも、老後になれば体も弱り、家にいる時間が増える。

そのローンは減るどころかますます増えるばかりだ。

おまけに収入も減れば、次第に生活も怪しくなる。

機械仕掛けを助長する高気密はかなり疑問だが、

高断熱は老後を快適に住まうためにも絶対条件だ。

僕がこんなことを言うと不思議に思う人もいるだろう。

でも、僕の建築を一度見たことのある人であれば不思議には思わないだろう。



家作り世代は、子育て世代の場合が多い。

そのため、どうしても家作りがその時期のためのものになりがちだ。

しかし、平均寿命を考えれば、それ以外の時間の方が遥かに長い。

おまけにその時期を過ぎれば、体力も収入も減る一方だ。

だから小さく作って、その分メンテ費用が少なくすむように

高断熱で質の高い家を造った方が、トータルコストは低く抑えられる。

子育て時期は、どうしてもスペースが必要になる。

その時は庭にイナバの物置を置くことを勧めている。

子育てが終わる頃にはそれもちょうど寿命を迎える。



高断熱とセットなのが、温度環境のコントロール。

長年あらゆる空調機器を試みてきたが、

工事費、メンテナンス費、ランニングコストなどをを考えると

今、結論としてエアコンを使った床暖房がベストだ。

最近竣工した一見住宅とは思えない「栄生の家」でも

壁には断熱材を打ち込み、

床下にエアコンの空気を流し床暖房になっている。

気温によってエアコンの風を室内に直接送り込むことができるようにしている。



住宅の温度環境について若い頃はあまり重要視してこなかったが、

そろそろ老後の準備をするこの歳になって改めて気づくことがたくさんある。

これもすべて自宅を作って経験したこと。


自分が嫌なことは、他人にしないのは仕事と関係なく人として当たり前のこと。



見えてはいるが,







「見えてはいるが,誰も見ていないものを見えるようにするのが,詩だ。」
                          

                                       長田弘






「詩」を「建築」に置き換えることができる。




2017/03/23

革張りの職人さんのところに行って来た。




昨日高山に行って来た。
三が峯の家の為にオリジナルのダイニングチェアーを作ることになった。
その椅子に革を張ってくれる職人さんに会いに来た。

椅子はこんなデザイン。
無垢のスチールのフレームは杉さん製。
この座面と背面に厚いヌメ革を張る。









































Leprahaun chair hütte (レプラホーン チェア ヒュッテ)
工房の外観
自宅の工房から引っ越したばかりらしい。








































ホームページから漂う雰囲気が、どこか僕と似たものを感じすぐに依頼した。
会ってみてやっぱり僕の勘は正しかった。
必ず期待以上の仕事をしてくれると思う。
建築家はこんな風に職人を見分けられる目利きの才能も磨く必要がある。
































この少しピンクが買った革が今回のために取り寄せたもの。
数年後、かなりいい色になってくれると思う。





























2017/03/15

栄生の家のオープンハウス









どうにか17日からのオープンハウスに間に合いそうな感じ。

現在の予約状況をお知らせします。

今回は積極的に告知しなかったせいで、

以外に申し込みが少ないので、まだ時間帯によっては空いています。


15日 20時現在でまだ予約可能な時間帯。

17日 13時以降
19日 13時以降。この日は、一般の方優先としていましたが、
一般の方で埋まりそうも無いので、同業者、学生も受け付けます。

20日の日は予定に入れていませんでしたが、12時〜14時の間に2、3組受け付けますので、3日間で都合の合わなかった方はお申し込みください。



オープンハウスのページを参照の上お申し込みください。



理想





建築愛   >     自己愛













螺旋階段





竹ノ山の家2の螺旋階段施工中。

2017/03/07

疑問は未来の扉を開く鍵



この歳になるとよくいろいろなことを聞かれる。

そのほとんどは仕事に関係することだけれど、

僕の仕事が、一般的にはかなりレアケースのようなので

僕の答えが、聞いた本人にとって良いことか?

いつも不安に思いながら答えている。




A good question is always better than a good answer.   Louis・I・Kahn

よい質問は常に良い答えより優れている。 



そんな時はいつもカーンのこの言葉を思い出しながら答えている。

質問とは、興味や関心が集中したポイントである。



また、このポイントが個性である。(加筆)

この興味や関心を持つということが、どれほど大切で価値のあることかを、

本人はあまり気づいていないことが多い。




学校で教えられるような上から落ちてくる知識は、

仕事をする場合、実践の道具としてはあまり便利ではない。

しかし、自ら関心を持って得た知識や経験は、

枝葉のように広がり、記憶も定着しやすく、幅広い知識や経験を得ることが多い。

そうやって得たものは、後々、いろんな場面で応用が利いて役に立つ。



職人の世界でよく、「仕事は、見て覚えろ」といわれる。

これはまさしく、見ているところに興味と関心が集中している。

自然の素材を扱う職人の世界は、全く同じ素材を扱うことは生涯ない。

同じ杉でも木が変われば、木目も変わり材質も変わる。

まさしく一期一会の瞬間技だ。

こういう職人仕事にマニュアルのような知識は、全く役に立たない。

自分で培った経験や知識以外には対応しきれない。



これは、僕らのような自然素材や環境を相手にした仕事も同じ。

学校で教わったことで出来てしまうような建築は、ハウスメーカーの住宅と変わらない。


仕事のやりがいや建築の豊かさも

通り一遍の知識やマニュアルから距離をおけばおくほど増していくものだ。



特に若い人には、疑問は未来の扉を開く鍵であることをもっと自覚して大切にしてほしいと思う。



月に一度行う「Meets」もそんな想いを持って始めた。

2017/03/06

建築は交響曲(シンフォニー)




建築は交響曲。

シンフォニーの語源は、ギリシャ語で「完全なる協和」。

何一つ突出するものもがなく、

誰一人としてソリストになることもなく、

ヒエラルキーのない世界。


職人は奏者。

建築家は指揮者兼作曲家。

そして、素材が音になる。

脇役も主役もいない。

美しい建築を生み出すために

皆が「完全なる協和」を目指す。

それが僕の建築。


Architecture is a symphony.
The etymology of Symphony is "agreement or concord of sound" in Greek.
There is nothing to protrude anything,
Without anyone becoming a soloist,
A world without hierarchy.
A craftman is a player.
An architect is a conductor and a composer.
And the materials will be sound.
There is neither a supporting role nor a protagonist.
Everyone aims for "agreement or concord of sound"
in order to create beautiful architecture.
That is my architecture.



2017/03/05

栄生の家のオープンハウスの予告



お施主さんのご厚意により、栄生の家のオープンハウスを行います。


日時は、   3月   17日(金)、18日(土)、19日(日) の予定です。

とても小さな建築なので、参加者を最大 1日 15組 30人ほどにします。原則として、同業者、学生は 17日(金)、18日(土)のみとします。止むを得ず19日(日)をご希望の方はお申し出ください。一般の方の参加人数によりますが、可能な限り調整します。その際、時間指定はできません。


 案内は7日(火)以降にアップしますが、一般の方のお申込みの受付は、6日(月)から行います。

同業者、学生の申込みの受付は13日~16日の4日間です。
まだ、一週間ほどお待ちください。お見逃しなく!

なお、同業者、学生に限り、1組2名以下に限らせて頂きます。