2016/12/20

建築を諦める時期



三が峯の家のオープンハウスも終わり、一息ついてしばらくはまた静かな日々が続く。今回のオープンハウスも例に漏れず9割以上は同業者や学生だった。彼らにはエレメント探しは止めて建築を感じてほしい。そして、それを持ち帰っていつか自分のものとしてリメイクしてほしい。エレメントは消費される情報に過ぎない。感動は建築の中に生き続ける。しかし、こんな僕の期待もほとんど裏切られてきた。それはみんな例外なく40歳を過ぎる頃から建築を諦めてしまうからだ。実質、事務所は経営しているが、設計や実務はほぼスタッフに任せる。それが事務所を閉鎖する時まで続く。この現実に危機感を感じた40歳前後の参加者が案外多い。僕もその頃同じように悩んでいた。結局、僕が選んだ道は、建設業の許可を取り本格的に請負うことだった。僕はその時の決断を今でも誇りに思う。覚悟を決めたリスクが自らを成長させてくれた。請負うことで設計だけでは省みなかった様々なスキルを身につけることができた。それによって培われた建築に対する理解と洞察が僕の今を支えている。おそらく僕ほど施工のこと、職人のことを知っている建築家はいないだろう。その知識と経験が翻って設計の幅を広げてくれた。僕はこの経験を少しでも伝えたくてオープンハウスをしている。

0 件のコメント:

コメントを投稿