2016/06/01

ぜんぶ手でつくる  39





写真と建築





ボクはある時期から自分の建築を自分の意思で写真で残すことに限界を感じ積極的にしてこなかった。写真も建築も視覚のメディアとしての共通点はあるが違いも大きい。

その違いは再現性にある。

建築はその場に限った唯一無二の存在だ。その建築が素材や環境に至るまで自然を多く取り入れたものであればあるほどその特異性は増す。だから、建築はその場に行って体験する以外にない。そのことは建築家であれば誰もが充分に理解していることだ。

多くの情報が失われ、また盛られていることを知りながら、彼らは皆、諦念と疑念の狭間で我欲と戦いながら自らの建築を写真に納める。

そして、その写真が自らの未来を語っていることにどれだけの建築家が気付いているのだろうか。

ボクは命の続く限り自分の未来を信じたい。

失うことも盛ることもなく伝えることはできないだろうか。その模索が今も続いている。

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