2016/03/05

ぜんぶ手でつくる 30




「丹 精」




自分が仕事をする時も人の仕事を見る時も中心にこの言葉がある。誰が作ろうと世間的な評価がどうであろうと「丹精」を感じられなければ、それは私にとってほとんど価値のないものだ。

誠の心をこめて物事をすること」

「誠の心」。それはどこにあるのか。悟りを開いた人でもない限り、人は自分にも他人にも嘘をつく。人は他人がどれほど繕っても本質を感じ取ってしまうものだ。だから無意識は「誠の心」の在り処ともいえる。

建築も建築家の無意識が大きく影響する。どんなに派手なデザインやコンセプトで装ったとしても空っぽな建築は繕いようがない。建築はあたかも建築家が丸裸で立っているようなものだ。生きざまがそのまま出てしまうのが建築だ。意識の範疇で作られた建築は、強いメッセージを持つが空気感や情緒は弱い。メッセージは時間の中で消費されてしまうものだ。

丹精をこめることは、それほど難しいことではない。自分の好きなことに集中すればいい。ひとつのことに時間をかければいい。集中することで無意識が力を持つ。

いろいろな仕事をしたり、オーバーワークしてしまう人は、自分の才能に気付いていない人だ。自分の好きなことが分かっていない人だ。




「私はそれほど賢くはありません。ただ、人より長くひとつのことにつきあってきただけなのです。」


                                     アルベルト・アインシュタイン




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