2015/11/24

ぜんぶ手でつくる  24



「建築を作る人」





人は2つのタイプに分かれる。興味や関心が常に「人」に向けられている人とそれが「こと」や「もの」に向けられている人。もちろんハッキリとした境界線があるのではなく、両方を持ちつつもその時々の判断や行動パターンに偏向がある。前者は自己実現を人の反応や評価に求めるタイプで、後者はそれを「こと」や「もの」に求めるタイプ。おそらく大多数は社会性を重んじる前者のタイプ。彼らは直接人と関るような接客業、教育者、医療介護従事者などに向いている。後者はいわゆる少数派の「おたく」気質で1次産業従事者、職人、技術者、作家、研究者、芸術家、スポーツ選手などの職業に向いている。


本題はここから。

みんながみんな自分に向いている職業に就けるわけではない。向いていない職業に就いたとしても、自分のことを良く理解できば何に全力を傾注すれば良いかが自然と見えてくる。そして、自分なりの仕事の仕方を見出し、それが個性になったり強みになったりすることもよくある。大切なことはすぐに諦めないこと。他に興味を持ったり欲を出してしまったら結局どれも一流にはなれず社会から選ばれなくなる。




ボクがこう考えるようになったのは、日頃一流の職人たちの仕事ぶりを見ているからだ。彼らの仕事ぶりは実に清々しい。それは単純に純粋だから。彼らは日々自分が納得できる仕事をしようとしているだけだ。彼らには承認欲求も自己顕示欲も感じられない。ましてや名誉や地位なんて初めから眼中にない。仕事を手段にして何かを満たそうとしているのでもない。日々の仕事に満足することが目的だ。それが叶えられれば、彼らは現場で満たせれている。彼らと仕事をしてると時々醜い自分を戒めざるを得なくなる。

ボクは時々作ることにだけに集中できなくなる。「建築を作る人」と決めた時、地球上の全ての建築が目標になったはずだ。時折ちっぽけな自分が建築を手段に替えようとする。そんな時、いつも職人たちを見て自分自身を見つめ直す。

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