2015/10/02

ぜんぶ手でつくる  21



標準化





内藤廣さんのエッセイを引用した伊礼さんの直近のブログ「設計の標準化」という記事を読んで思うところがあった。。


私はむしろ標準化を避けて来た。それはその目的が効率性、経済性以外に感じられなかったからだ。これは企業が得意とすることで、むしろ我々個人の建築士がやらねばならないことはこの逆ではないか。


2つとして同じ条件のない我々の仕事は、それ故にその住宅のためだけにできる仕事がたくさんある。それがまたやり甲斐にもなり面白みでもある。


施主家族の顔を思い出しながら思いを込めて詳細を決めていく。毎回新しいものを生み出し続ける職人たちの期待と歓び。表面には出難いこういう”人の思い”も建築にとっては大切なことだと思う。


標準化はそれと逆行するように思えてならない。ましてや個人の建築士が力を入れるべきことではない。住宅を設計するということは、その家族のために最善の提案をすべきだ。標準化は決して最善の提案ではない。


ハウスメーカーや工務店、一部の施主のために標準化も必要なことだとは思うが、多くの建築士がそれを目指したら、建築士の価値は下がり職人も育たなくなる。何よりも建築を作ることに魅力が無くなってしまう。


そのために私は出来るかぎり既製品を使わずにそれぞれの施主のためだけに毎回デザインをし、手でつくることを心掛けてきた。


建築は私と職人たちの心を込めた贈り物だから。




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