2015/08/31

ぜんぶ手でつくる  19







エゴイスティックな存在




今、エンブレムのコピー問題が話題になっている。

建築には、先人が作り出してきた数多くの様式がある。日本にも竪穴式住居から始まり、法隆寺に代表されるような飛鳥様式を経て、近世には桂離宮などの数寄屋造り、茶室では待庵などが生まれた。クライアントから和風の建築を求められれば、それらをなぞることは避けられないし、また、私自身も過去に何度も好きな建築家のコピーを試みた。

そこで出した結論は、「やっぱりコピーは出来ない。」。

建築には、イメージを数字に置き換えるディティールという仕事がある。それは理性的で情緒的なものだ。奥深くに潜む「エゴイスティックな存在」に仕事をさせることだ。彼が創り出すものは一見コピーのように見えても、独特の空気感を生み出す。視覚的要素だけでなくそれ以外の要素が確実に存在する。でも、その彼に仕事をさせられない人は何をやってもコピーになってしまう。

グラフィックでも同じ。見た目にはよく似ていても彼を感じられれば全く問題ない。また、そうであれば騒動も自然と消えていく。消えないとすれば、そういうものではなったということだ。前回の亀倉山のエンブレムはまさしく日の丸そのものだったから。

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