2015/08/18

ぜんぶ手でつくる 14




私がなかなか契約をしない訳



私はなかなか設計契約をしません。というよりも出来ません。もちろん早く契約したいのは山々ですが、建築を作ることには自信がありますが人を見る目はありません。

私は自分が設計したものは自分で請負って作っています。何ひとつ他人に責任を押し付けられません。しかも一生のお付き合いになります。失敗は許されません。だから慎重にならざるを得ないのです。

相談を受けてすぐに予算計画書を作ります。それに基づき規模や構造など基本的なことを決め、要望に沿って基本設計を進めます。メールなどで数回、多い時は数十回の情報交換の後に一案だけ提案します。その後、それを元に精度を高め承認を得た段階までが基本設計です。ここまでは契約をせずに無償で仕事をします。ここで仕事がキャンセルになったとしても対価を頂くことはありません。これは別にサービスでやっているわけではありません。

基本設計の期間はお互いの夢を摺り合わせる期間であり、信頼関係を築く期間でもあります。万が一縁なくそれが出来なくなることだってあります。その場合の選択肢をお互い失くさないためにも基本設計の期間は契約をせずに無償で行なうようにしています。

クライアントは作ってしまえばローンを抱えながらその家と一生付き合わなければなりません。ベターな選択を促す責任は我々建築士にあります。また、その見識もクライアントよりは数段勝っているはずです。その判断をする期間が基本設計ということです。

幸いなことに最近は基本設計だけになってしまうことはほとんど無くなりました。また、築後の問題もなく、決して一筋縄ではいかない住宅を皆さん本当にかわいがって頂きクライアントには大変感謝しています。

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